ぴーす
ぴーす

さてクールくん、今回のブログなんだが。
前回に予告した通り、避妊手術についてやっていくよ!

クール
クール

うう、僕が不出来なばっかりに…(/ω\)
先輩、お願いします!
あと、ほんとにお灸をすえてもらったおかげで少し体が軽いです(笑)

ぴーす
ぴーす

ふふふ、ほんとにお灸をすえるとは思っていなかったでしょ?
スタッフは病院の宝だからね~
これからも一緒に頑張りましょう。
(注:当院ではお灸は実施しておりません)

本題に戻るよー、避妊手術ってなんですか?

クール
クール

またその質問ですね!
避妊手術は女の子に対して開腹手術にて子宮と卵巣を取り除く手術です!

ぴーす
ぴーす

うーん、今回は『△』だね。
確かにうちの先生は子宮と卵巣をとる手術をするけど
いまは少し違う方法も取られるようになってきているんだ。

クール
クール

えー!
どんな方法ですか?

ぴーす
ぴーす

そもそも『避妊手術』とは妊娠を避けることを目的とした手術なので
『妊娠できない状態にすればいい』ともいえるね。
なので男の子が精巣だけを取るのと同じように『卵巣のみを取り除くこと』も
避妊手術になるんだ。

クール
クール

ということは子宮は取らなくてもいいんですか?

ぴーす
ぴーす

乱暴に言えばそういうことになるね~
なのでそうやって実際手術の傷を小さくしたり、
最近は人間と同じように『内視鏡』で手術を行う動物病院も増えてきているみたい。

クール
クール

いろいろな選択肢ができてきているんですね!
うちの病院はどうなんですか?

ぴーす
ぴーす

うちの病院は従来型のおなかを切って開ける手術だね。
先生も「頑張って傷を小さくできるように努力しております(;´∀`)」とのことです。
費用や麻酔時間など、手術のやり方によって変わるところもあるから
飼い主さんが希望する条件に合う病院や方法を選んでもらうことだね!

クール
クール

そうですね!
先生には精一杯努力してもらいましょう( ´艸`)ムププ

ぴーす
ぴーす

さて、簡単にだけど手術方法の紹介も終わったところで今回の本題だよ。
『避妊手術で防げる病気』のお話を進めていきたいと思います(‘ω’)ノ

クール
クール

待ってました!

ぴーす
ぴーす

クールくんは子宮や卵巣が体の中にある状態とすると、どういうことが起きうると思う?

クール
クール

そーですねえ…
やっぱりまずは子宮や卵巣が変化するようなトラブルですよねー。
癌とかですか?

ぴーす
ぴーす

そうだね。
そういうものもあるけれど実際は卵胞嚢腫(らんぽうのうしゅ)という卵巣のトラブルや
子宮水腫(しきゅうすいしゅ)子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)といった子宮の
トラブルが多いみたいだね。
他にも子宮捻転(しきゅうねんてん)子宮脱(しきゅうだつ)子宮破裂(しきゅうはれつ)
といったものもある。

クール
クール

捻転に脱出に破裂ですと!
痛そうな響き(;・∀・)

ぴーす
ぴーす

でもそういったものはよほどじゃないと起きないから今回の話からは省きますよ。
さっき上げた卵胞嚢腫子宮水腫子宮蓄膿症は一連の流れとして起きることがあるよ。

クール
クール

んーと、どういうことですか?

ぴーす
ぴーす

あんまり細かい話をすると長くなるから短く説明していくね。
僕たちワンちゃん猫ちゃんは歳をとってくると様々な理由で
ホルモンの異常が起きやすいんだ。
その影響で発情周期の変化が起きたり、発情した時の出血が長引いたりする
そのころおなかの中では卵胞で卵子の排出がうまくいかなくなり、卵巣が腫れてくる
これが卵胞嚢腫だね。
卵巣は小豆くらいのサイズの臓器で、大きくなると赤ちゃんのこぶし大ぐらいに
なることもある。

クール
クール

そんなに大きくなるとおなかが苦しくなりそうですね。

ぴーす
ぴーす

意外と症状が出ない子が多いんだ。
僕たちのおなかは結構伸び縮みができるからね。
場合によっては原因不明の軟便や下痢がある子もいるけど
ほとんどは見逃されてしまうみたい

クール
クール

うんちの変化くらいならそこまで考えられないですもんね~

ぴーす
ぴーす

正常な生理の周期ではいろんなホルモンが順番に一定のリズムで巡るんだけど
卵子の排出が遅れるようなトラブルが起こるとリズムがさらにおかしくなって
ホルモンの過剰から子宮の中に水状の成分がたまってきたり(子宮水腫)、
免疫力を下げるホルモンが長期続くようになると細菌感染がおきて
膿がたまる(子宮蓄膿症)
ことがある。
子宮蓄膿症になった場合は子宮内が膿でどんどん膨らんで限界を迎えると破裂して、
腹膜炎を起こして死に至ることもあるよ。

クール
クール

女の子って大変なんですね!
赤ちゃん産むのも大変だけど…(;^ω^)

ぴーす
ぴーす

子宮や卵巣自体のトラブルも怖いけど、その他の場所に現れるホルモンの影響も
見逃せないよ!

クール
クール

まだあるんですか?!

ぴーす
ぴーす

そのうち乳腺腫瘍の発生については最もよく言われるところだね。
乳腺腫瘍っていうのは良性(おいていても問題ない)と
悪性(いわゆる乳がん)のことね。

クール
クール

おっぱいも女の子のホルモンによるものですもんね。

ぴーす
ぴーす

過去の研究から発情の回数と乳腺腫瘍の発生の関連が言われていて
手術のタイミングが
初回発情前なら0.05%
一回発情後なら8%
二回目発情以降であれば26%
まで発生が抑えられるという研究データもあるみたい。

クール
クール

じゃあ早めに手術してしまうことで予防することができるといえますね!

ぴーす
ぴーす

そうなんだ。
他にも糖尿病になった場合、ワンちゃんや猫ちゃんも
ヒトと同じようにインスリンていうホルモンを注射して治療することがあるんだけれど、
女性ホルモンの影響で効果が下がったりして病状を安定させにくくなることもある
といわれているよ。

クール
クール

ほんとにいろいろな影響があるんですね。
これはさすがに考え物だ…

ぴーす
ぴーす

まあ避妊手術で予防できそうな病気については大まかにはこんなところかな。
ホルモンって必要なんだけど、多すぎても少なすぎてもよくないこともあるからね~
なんでもほどほどだよねー

ほんとね。クールくん、ほどほどにしろって言ったのに正月太りしてるでしょ?( 一一)

クール
クール

あ、やっぱりばれました?
お正月に紛れていっぱいお年玉(おやつ)もらってしまいまして
・:*:・(*´∀`*)ウットリ・:*:・

ぴーす
ぴーす

ホント懲りないね!
今回はお灸ではなく、しっかり厳しいトレーニングで反省していただきます。
メニューは厳しめの冬の六甲山縦走です。
しっかり山登りしてきてくださーい。
なお、最近運動不足でおなかが出ている柴田先生を連行いたします。
(・_・ )―――C<―_‐)))ズリズリ

クール
クール

やだー!
先生この間、ちょっと買い物で歩いただけで筋肉痛になったらしいんですよ!
途中で僕が歩けなくなったら誰がおんぶしてくれるんですか!?

ぴーす
ぴーす

だまらっしゃい!
しっかり運動してきなさい!

クール
クール

そんなあ~~
殺生な~(´Д⊂ヽ

ぴーす
ぴーす

さて、今回は前回に引き続き、避妊手術で予防できる可能性のある病気を中心に
ご紹介しました。
去勢手術同様、飼い主様の考え方によって手術をするかしないかは判断されるべきです。
しかし、獣医師の目線から考えると子宮蓄膿症などは進行が早く、
命に関わるトラブルになることが多いためリスクを回避するために
予防的に手術を行うことを推奨します。
楽しく長く共に過ごすために、改めて手術について考える機会になることを願います。