ぐるぐるぐるぐるグルコサミン♪
ほにゃらら育ちのグルコサミン♪
なんだかご機嫌だね~歌なんか歌っちゃって。
いいことでもあったの?(‘_’)
いやー、某CMソングなんですけどね。
一回聞くと頭の中ずっと流れません?
CMソングってなんか中毒性あるもんね。
考える人ってすごいよね。
そういえばこういうの知ってます?(*´з`)
先生が言ってたんですけど
『おじいちゃんのお口くさぁい!ポリ…
クールくん、商品名はやめようか?
先生も、また結構前のCMのネタを…(;・∀・)
つゆちゃん(以前のブログで紹介)がお口臭いって言われたって
しょんぼりしてたので思い出しました(笑)
たまにごはん食べたりとかお水のんでもしみることがあるみたいでしたよ!
虫歯とかできたんですかねぇ?
あらまぁ…
つゆちゃんもいいお年だからね~
ちなみに僕たち犬はよほどのことがない限り虫歯にはならないよ。
え?!そうなんですか?!( ゚Д゚)
僕ら犬や猫とヒトにはお口の中にいろんな違いがあるんだ!
例えば歯の形が全然違うよね?
一つ一つがある程度離れているからすき間にものが詰まりにくい。
あと、そもそもいわゆる虫歯菌がいないといわれている。
まぁいないとも言い切らないけど、虫歯菌には生きづらい環境なんだって。
お口の中のpH(酸性かアルカリ性か)の問題らしいけどね~。
それなら怖いものなしですね!!
歯磨きなんかしなくてよかったんや~( *´艸`)
それは大きな勘違いだよ、クールくん。(。-`ω-)/
僕たちのお口の中はアルカリ性で虫歯菌は生きづらいけど、
その反面、歯についた食べ物の汚れがすごい勢いで歯石となって
歯にへばりつくんだ!
一度汚れが定着し始めるとそこを足場にさらに歯石をができていって、
その歯石にはばい菌が住み着き、歯茎にどんどん刺激を加えていく。
歯茎に刺激が加わるとどうなるんですか!?
いわゆる歯周病といわれる状態になっていくんだ。
テレビCMが好きな君なら何度も歯磨き粉や歯ブラシのCMで耳にしたことがあるはず!
あ!わかった!
「リンゴを噛んだ時、歯茎から血が出ませんか?」
てやつですね!
うーん、あってるような、間違ってるような…
それ古くて何のCMか思い出せないよ。(´・ω・`)
歯茎が炎症を起こす(腫れたり赤くなったりする)と
どんどん縮んでいってしまうんだ。
歯茎が縮むと、歯と歯茎の間の歯周ポケットが広がって、
そこに食べ物のカスがたまりやすくなる。
それがまた歯石になって、縮んだ歯肉を追いかけるように広がる。
歯石が触れてまた炎症を起こしてさらに歯茎を縮めていく。
歯茎だけならまだしも、歯を本当の意味で支えている歯槽骨という
歯の土台になるところも溶けていってしまい、
支えられなくなった歯はいつかぐらつき、抜けていくんだ。
歯が抜けてしまうんですか!?
ひええええええ!Σ(・ω・ノ)ノ!)!)
それだけじゃないよ。
場合によっては「歯根膿瘍」という病気になることもある。
歯の根元に膿がたまる病気なんだけど
痛みの原因になって食事がとれなくなったり、
膿のたまり方によってはほっぺたが腫れてしまったり、
穴が開いてそこから膿が出てくることもある。
先生がみたことがある中で一番ひどかったのは
頭蓋骨の内側の目の下の部分に膿がたまってしまって
眼球突出(目玉が外に飛び出した)してしまったんだって。
ほっぺにあな?!
目玉が飛び出す?!
まだまだあるよ。
犬は鼻が長い構造になっているけど、上あごの犬歯(キバ)の
根元が鼻の穴の空洞とすごく近いせいで、
年を取って歯周病で犬歯が抜けるころにはお口と鼻の穴が貫通してしまい
お水を飲んだりご飯を食べたりしたときにそれらが鼻に流れ込んで
くしゃみが止まらなくなることもあるし、
下のあごのほうでも顎の骨まで歯周病が影響を及ぼすレベルになると
顎の骨が折れて、もぐもぐできなくなったり、
顎が機能できなくなるような状態になることも最悪ありうる。
ごはんが!食べられない!?だと…?!
そんなの、もう、生きてはいけないではないですかッ!
歯茎の悪化を食い止める方法はないのですか?!
落ち着いて、クールくん。
(いつも思うけど、キミ名前負けだよ┐(´∀`)┌)
基本的には歯をきれいに保つことが第一だね。
それには『歯磨きの習慣』をつけることが大事だよ。
だいたいみんな飼主さんに口を触られるのは嫌だと思うけど
小さい子犬、子猫の頃から口の中にも指を突っ込んだりして慣れてもらうのがいいね。
それができれば歯磨きシートや歯ブラシを使って歯についた汚れを落としてもらうことが
できるから汚れの少ない健康的な口腔内環境でいられるんだ。
でも、現実はそんなに甘くないです。
『口の中は僕のプライベート空間なのです。
僕の許可が下りないので口は触らせません。』
っていう子は多いですよね?(-ω-)/
そうなんだ。
そこで次の方法としては『遊びを利用する方法』かな!
飼主さんと遊ぶのが好きな子は多いと思うから
例えばタオルやロープの引っ張りあいで遊んだりすることで
歯が触れる部分は結果的には歯磨きに近い効果を得られる可能性があるよ。
その場合は破片や糸くずを飲み込むトラブルには要注意だね。
あとは『歯磨きガムなどのオーラルケア商品の使用』かな。
ときどき牛の蹄を噛んでいる子もいるんだけど、歯が負けてしまって
割れちゃうこともあるからあまり硬すぎるものは気を付けてほしいな!
なるほど…
一つ冷静な疑問なんですがこういった方法は
すでについてしまった歯石に有効ですか?
正直に言うとすでにへばりついてしまった歯石に効果は出にくいね。
一度歯石をとってリセットする必要があるよ。
それってどんな方法ですか?
『スケーリング』と『ポリッシング』だね。
『スケーリング』っていうのは器具で歯石を削り落とすことをいうよ。
鉤爪みたいな金属の器具でガリガリと削り落とす方法と
人間の歯医者さんみたいに超音波振動する機械で剥がす方法がある。
『ポリッシング』は歯の表面を歯磨き粉(研磨剤)で磨いて表面をツルツルに
して汚れをつきにくくする方法だよ。
口の中でそんな処置をするなんてじっとしてられないですよ?!
そもそも歯磨きができなくて歯石がついてしまっているのに!
そんな怖いことできません!!(´゚д゚`)
だから獣医さんで麻酔をかけて処置してもらうのが一番だと思う。
そうすれば僕たちは怖い思いをせず、眠っている間に
隅々まできれいにしてもらえるからね。
確かにそれならいいかも…
でも、そういえばどこかで麻酔をしないで歯石落としができるって
書いてあるチラシとか見たことがあります!!
飼主さんで麻酔を怖がる方もいらっしゃるし、
お年をとってたり、病気で麻酔をかけられない子だっていると思う!
麻酔をかけるかかけないか。
これが永遠のテーマだよね…
先生にもそれについて聞いてみたことがあるんだけど
先生はこう言ってた。
『もちろん無麻酔のスケーリングもアリだと思う。
でもその場合は
・処置中に動いてしまって口腔内をけがしてしまう可能性があること
・過剰に力をかけてしまって歯の表面に傷をつける可能性があること
・仕上げのポリッシングができないから歯の表面はざらざらになってまたすぐ汚れが付くこと
・歯の表面の傷つき具合によっては虫歯や歯が割れる状態になる可能性があること
・隅々までは処置できないこと
・処置時間がかかって動物さんに強いストレスを与えること
を考えないといけない。
だから僕は無麻酔のスケーリングをするとしたら
短時間で終わることと、一部分のケアだけを目的にすることが条件かな。
仮にどうしても麻酔をかけられない状態(病気や高齢など)だとしたら
そもそも時間のかかる処置には耐えられないと思う。
麻酔をかけることで得られるメリットとしては
丁寧に隅々まで処置ができるから期待した効果(口臭が取れるなど)がしっかり得られるし
歯の根元のレントゲンを撮ることもできるから、
歯根膿瘍などの病気のもとになるものも発見できて、
必要に応じて抜歯をしたり、抜歯した後の穴を縫ってふさぐこともできるから
より処置が意味のあるものになる。
見た目上問題ない歯の状態でも、実は抜いてしまわないと…ってこともあるしね。
あと、飼主さんが麻酔が怖いっておっしゃられる場合については…
こればっかりはなかなか埋めることが難しい問題だ。
「絶対に麻酔をかけたくない」といわれるとどうにもならないけど
「処置の必要性もわかってるんだけど勇気が出ない」っていうことであれば
僕たち獣医が検査や説明を通して安心して任せてもらえるように
努力しなきゃならないね。』
あ、ついに先生がまるごとしゃべっちゃうパートが出てきた。
先輩が説明するところじゃないんですか?
こればっかりは先生の言葉でしっかり伝えたいっていう意向があったんだよ。
別に説明を丸投げしているわけじゃないからね!(^_^;)
先生の暑苦しい気持ちはよくわかりました。(/・ω・)/
ところですごく気になるワードが出てきたのですが。
歯、抜いちゃうんですか?
歯が無くなったらご飯が食べられなくなるんじゃないですか?
基本的には僕たちの歯って一つ一つが離れているし尖っているじゃない?
これって本来僕たちが獲物のお肉を噛み千切るためのカタチなんだ。
それに対して今僕たちが普段食べているものはどうだろう?
いわゆるドライフードは一粒一粒かなり小さいし、
丸呑みしてもある程度は大丈夫なように設計して作られている。
心配ならお湯でふやかしたり、缶詰のご飯にすることでも解決する問題じゃないかな。
でも、人間でも「8020運動」でしたっけ?
健康に生きるためにはたくさん歯を残そうって考え方もありますよね?
確かに『歯を大事にしてしっかり噛んで長寿を達成しよう』って
いう考え方が獣医さんの間でも広がってきているけど、
それはもちろん若い時から頑張ってケアして
歯周病などがない状態を維持するというお話。
今現在、すでに歯周病などでトラブルが起きている場合には、
歯を残すことより抜くことで病的な部分を取り除いて顎の機能を失わないようにして、
その他の臓器に与える影響を可能な限り減らしていくという考え方も大事なんだ。
さっきは説明できなかったけど、
歯周病がある場合はそこから細菌の作る毒性物質などにより
肝臓に負担をかけることがあったり、心臓病につながることもあると
言われるようになってきている。(-_-)/
何でもかんでも残せばいいってものでもないんですね。
確かに歯に執着して寿命が縮むなら本末転倒な気がする。(+o+)
そうだよ。
だからこそしっかり獣医さんに判断してもらって
できるだけ健康な生活を続けられるようにしたいね。
長くなったけど、今回もまとめてみようか!
≪今回のまとめ≫
●犬は虫歯にならないけど歯周病にはなる
●歯周病は生活や寿命に影響するレベルのトラブルを引き起こす
●たまった歯石は麻酔下の処置でピカピカにして、さらなる悪化を食い止める
●歯周病にならないよう小さいころから歯磨きの習慣をつけよう!
まとめると要点少ないですね。
たったこれだけに今回も長々と…(;”∀”)
おかげで次のブログいつできるんだよってなるよね(笑)
ほんとに┐(´д`)┌ヤレヤレ
次回も気長に待つことにしましょう~
もしこういうこと書いてほしいってあったら先生にご相談を!